国内男女ツアーも折り返しの時期となり、 今年も様々な記録が生まれている。

男子は長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップゴルフトーナメントまでの9試合、女子は日医工女子オープンゴルフトーナメントまでの18試合を消化した。男子では初優勝者2名を含む9名の勝者が、女子では初優勝者6名を含む14名の勝者が誕生した(アマチュア1名含む)。ここで今季の前半戦の戦況を振り返っておきたい。そして、それぞれ後半戦の男子15試合、女子19試合が終わる頃、どのように総括される一年になっているのか興味は尽きない。
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JGTO

海外から若手の快挙。松山英樹選手、米ツアー勝利

世界に飛び出している日本ツアーメンバーの一人、松山英樹選手がついに快挙を成し遂げた。5月29日から6月1日の日程で行われた帝王ジャック・ニクラスがホストを務める由緒ある大会、「ザ・メモリアルトーナメント」をプレーオフの末に制した。米ツアーに挑戦し始めてから26試合目のことで、大会史上最年少の22歳3ヶ月、初出場初優勝の偉業。米ツアーでの勝利は日本人では青木功選手、丸山茂樹選手、今田竜二選手に続く6年ぶり4人目となった。

中堅・ベテランプロが磐石の構えを見せる男子ツアー

男子ツアーは第2回開催となるワンアジアツアーとの共同主管で行われる「インドネシアPGA選手権」を初戦として開幕した。前半を終了し複数優勝者はまだおらず、毎試合勝者の顔ぶれが変わる実力伯仲の展開だ。まず、初戦を幸先良く制したのは試合の前から「日本ツアーは強い」というところを見せたいと意気込みを見せていたプロ9年目となる松村道央選手。続く国内での開幕となった「東建ホームメイトカップ」では昨年の最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で劇的な初優勝をプロ入り11年目で飾った宮里優作選手が年をまたいでの国内連勝という形で早々の2勝目を挙げて見せた。3戦目の「つるやオープンゴルフトーナメント」では今度はベテランの藤田寛之選手が大会との相性の良さも生かしきり、B.ジョーンズ選手と並ぶ最多大会3勝目を達成した。ベテランと言えば公式戦「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」を手嶋多一選手が制し、このことで01年の「日本オープンゴルフ選手権」との両タイトルを制した史上20人目の選手となった。
初優勝者は張棟圭選手(ミズノオープン)と竹谷佳孝選手(日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hills)の2人誕生している。特に竹谷選手は昨年のチャレンジトーナメント2位の資格で前半戦ツアー出場権を得た無シードからの大躍進となった。奇遇なことに張選手とはチャレンジトーナメントでも一緒に回る機会があり、今季は共に資格を得てのツアー挑戦での初優勝だ。
その他、「中日クラウンズ」を制した金亨成選手、「関西オープンゴルフ選手権」を制した小田孔明選手ら、中堅・ベテランが覇を競う展開を見せている。前半戦ラストの試合となった「セガサミーカップゴルフトーナメント」では米ツアーを戦う若手両雄の石川遼選手と松山英樹選手が揃って出場。試合は今季2勝目を狙う小田選手と石川選手の一騎打ち。共にバーディー合戦で譲らぬプレーオフ3ホール目、1年8ヶ月ぶりに石川選手が日本のファンの前で白熱戦を制する結果となった。

LPGA

史上4人目のアマチュア優勝・勝みなみ選手の偉業達成

今季の女子前半戦は何と言っても7戦目の「KKT杯バンテリンレディスオープン」で史上4人目となるアマチュア優勝の快挙を成した勝みなみ選手が話題をさらったと言えそうだ。最終日はイ ボミ選手が猛追を見せたが1打及ばず、史上4人目、さらに2012年の「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」で韓国のキム ヒョージュ選手が記録した16歳332日の国内女子ツアー最年少記録 も15歳293日と大きく更新するアマチュアチャンピオンの誕生という快挙を成し遂げた。

勝選手の快挙に誘発されるようにアマチュア旋風が吹く

思えばアマチュア選手の胎動の予兆は既に2戦目の「ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ」から始まっていた。ここで首位と1打差の3位タイに肉薄して見せたのがJGAナショナルチームの現エース、森田遥選手だった。3戦目の「Tポイントレディス」では森田選手と同じナショナルチームメンバーの永井花奈選手がベスト10フィニッシュと存在感を見せる。さらに4戦目の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」では柏原明日架選手が4位タイに食い込み、2年連続のベストアマに輝いた。そうした流れの中で7戦目に勝みなみ選手の最年少更新プロツアー制覇が成った。それはまさにアマチュア旋風の幕開けともなった。9戦目の「サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント」では同じナショナルチームメンバーで先を越された形となった森田遥選手、永井花奈選手に加えて、堀琴音選手が台風の目となり、森田選手は単独2位入賞。堀選手は4位タイ、永井選手も単独6位とベストテンにアマチュア3選手が名を連ねる結果を残した。11戦目となった「ほけんの窓口レディース」では再び柏原明日架選手が初日、二日目と首位を快走。最終日に崩れて6位タイとなったがアマチュアによる完全優勝かと注目された。その他、堀琴音選手は9戦目「サイバーエージェントレディス」の4位タイ、12戦目「中京テレビブリヂストンレディスオープン」8位タイ、13戦目「リゾートトラストレディス」8位タイと出場3試合連続でベスト10フィニッシュという1984年の中島恵利華選手以来となる記録に並んで見せたかと思えば、ステップ・アップ・ツアーのABCレディースで史上2人目となる優勝も果たした。また15戦目の「サントリーレディス」の3日目では5アンダーの4位タイという優勝争いの位置で森田遥選手、勝みなみ選手、佐々木笙子選手の3選手がアマチュア3人による同組ラウンドを実現させた。このことは記録が残る2002年以降では初の出来事となった。
アマチュア優勝の快挙を成した勝みなみ選手。ワールドレディスチャンピオンツアーでは宮里藍選手、森田理香子選手と 同組でのラウンドとなり注目を集めた

アマチュア優勝の快挙を成した勝みなみ選手。ワールドレディスチャンピオンツアーでは宮里藍選手、森田理香子選手と
同組でのラウンドとなり注目を集めた

賞金女王をにらむツアー情勢は

昨年の前半戦は日本選手勢の活躍が目立っていたが、今季は日本勢8勝、韓国勢7勝、台湾勢2勝、タイ1勝と海外勢との主導権争いとして見た場合、拮抗している様相を呈している。そうした中で既に複数優勝を飾る活躍を見せている選手はアン ソンジュ選手の3勝(ヤマハレディースオープン葛城、中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン、サントリーレディスオープン)と2勝の一ノ瀬優希選手(ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ、サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント)、成田美寿々選手(ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ、ヨネックスレディスゴルフトーナメント)の3人。初優勝者は6人誕生しており、一人はアマチュアの勝みなみ選手だが、プロとして新たに実力プレーヤーへの壁を超えたのは渡邉彩香選手(アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI)、リ エスド選手(スタジオアリス女子オープン)、フェービー・ヤオ選手(フジサンケイレディスクラシック)、酒井美紀選手(アース・モンダミンカップ)、ジョン ヨンジュ選手(日医工女子オープンゴルフトーナメント)の5人だ。
前半戦スパートを果たしている複数優勝者が後半戦も勢いを持続していくのか、また、初優勝で一皮むけたプレーヤーたちの実力開花が見られるのかが注目される。

前半戦の賞金ランキング
男子トップには「最終的にてっぺん」と賞金王に狙いを定めている小田孔明選手、日米で戦う石川遼選手、一皮むけて実力開花中の宮里優作選手、ベテラン藤田寛之選手や手嶋多一選手、そろそろ初優勝が欲しい岩田寛選手らが上位にひしめいている展開だ。もちろん、後半戦で十分台頭してくる実力を秘めた選手らが多数チャンスを待っているだけに戦況図は大きく変わる要素を多分に含んでいる。
一方で、アマチュアの活躍に目が行きがちな前半の女子ツアーだが、プロの成績表は1位には2009年、2010年賞金女王のアン ソンジュ選手、2位にはイ ボミ選手の韓国選手が占める結果となっている。後半戦は日本選手の巻き返しが注目されるところだ。今季、メジャーの「ワールドレディス」を含む2勝を挙げて目下、4位につけている成田美寿々選手、同じく2勝をマークしている一ノ瀬優希選手ら成果を見せている選手に加え、まだ未勝利ながら5位と安定したプレーを見せている原江里菜選手、開幕早々の「Tポイントレディス」で1勝を挙げ13位につけている昨年度賞金女王の森田理香子選手などの台頭が期待されるところだ。
男女ともこれから賞金レースに絡んでくる選手はどのような選手なのか。新たなスター、ヒロインの誕生はあるのか。実力者が台頭してくる後半戦だけに、その行方には大いに注目したいところだ。

視聴率とギャラリー入場者動静は
平均視聴率は男子5.9%(関東、日曜)女子5.7%(関東・日曜)とほぼ昨年並みで推移しているが、ギャラリー動員数は男子が9試合で16.5万人、女子は18試合で26万人と前年比104%と増加傾向となった。
昨年比として男女ツアーともに視聴率には顕著な動静は見られていないが、ギャラリー動員数では上昇傾向が見られているだけに後半戦の盛り上がりと共に更なる数字の上昇も見込まれるものと思われる。