ゴルフトーナメントの楽しみ方

スマートフォンやタブレットの普及などもあり、ゴルフトーナメントの観戦スタイルが大きく変化している。 選手や大会の様子をより深く、より詳しく知ることができる新しい試みに注目していきたい。

トーナメント会場で

tn20140705 生解説など、観戦に役立つサービスが増加傾向

 ゴルフトーナメントは、観戦しにくいスポーツの一つといえる。選手は広いコースを常に移動しており、現場にいながら全体の試合経過を簡単に把握することが難しいからだ。そこで各トーナメントでは、上手な観戦法やきめ細かい試合情報の提供に力を入れている。スマートフォンを使った選手の位置やスコアの発信、プロゴルファーらによる生解説など、実際の試合会場ならではのサービスが目立つ。試合の魅力をギャラリーに伝えるため、試行錯誤はまだまだ続く。

はじめての観戦ガイドツアー

専門家の解説付きの 贅沢な観戦方法

 ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップでは、有料サービスとしてLPGAプロが生解説をする観戦ガイドツアーを実施した。注目組に密着して目の前のプレーを見ながら、ホールの見どころや勝敗のポイント、選手の心理状態、ショットの難しさなどをていねいに解説。先着20名という限定サービスだったが、トーナメント観戦に慣れていない人でもわかりやすく、楽しい観戦となった。「日本最高峰のプレー」+「専門家の解説」は、トーナメント会場だからこそできる贅沢なサービス。さらに多くのトーナメントで広めたい。

選手位置情報サービス

tn20140706 お目当ての選手の位置がわかる限定サイト

 ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップなどでは、スマホやタブレット専用サービスとして、選手位置情報やスコア、順位などがリアルタイムで確認できる会場内限定の情報サイトが開設された。お目当ての選手がいまどこでプレーしているかが瞬時にわかり、観戦の大きなサポートとなる。しかし、プレー中にギャラリーの電話の呼び出し音が鳴ることもあり、マナーモードを徹底するなどの難しい一面もある。

グリーンDJ・ライブ実況

試合会場を大きく盛り上げた 新サービス

 今年のヤマハレディースオープン葛城で行われた試みがグリーンDJ。これは18番のギャラリースタンドにDJブースを設け、観戦しているギャラリーに向けて試合を実況解説するサービスだ。拍手をするタイミングや目の前のプレーの難易度などをオンタイムでギャラリーに伝えることができ、ギャラリーとプレーしている選手を一体化させる役割を果たした。試合を大きく盛り上げるツールとして、今後注目されるサービスといえるだろう。

サテライトスタジオ

tn20140707 試合会場で公開生放送を実施

 ヤマハレディースオープン葛城では、インターネット用サテライトスタジオを設置し、多くのギャラリーを楽しませた。これまでのテレビ中継やインターネット中継などの放送席は、来場したギャラリーが放送中の解説やスタジオゲストの会話内容を聞くことができなかった。しかし、このサテライトスタジオではいわゆる“公開生放送”を実施。放送席を観覧できるだけでなく、解説やスタジオゲストとのやりとりも聴くことができるようにした。ギャラリーにとっては、専門家の解説付きでわかりやすいトーナメント観戦となった。

観戦ナビゲーションブック

選手の コースマネジメントを 体感できる一冊 tn20140708

 来場者に「観戦ナビゲーションブック」をプレゼントするのはヤマハレディースオープン葛城。通常の来場者用プログラムとは異なり、ホールレイアウトの解説にポイントが置かれている。ヤーデージやグリーンのアンジュレーションなど、各ホールの特徴が詳細に紹介されており、選手がどのようにコースを攻略するかがよくわかる仕組みになっている。深く、楽しくトーナメント観戦するためのサポートツールとなった。

会場以外で

多くのコンテンツをより一層魅力的に

 トーナメント会場では、来場したギャラリーにどのように試合を楽しんでもらうかが大きなポイント。一方、来場しない人に対してはいかにトーナメントに興味を持ってもらい、実際に会場に足を運んでもらうかという興味喚起が重要になってくる。そのためにはタブレットやパソコン、あるいはテレビ放送で、少しでも多くゴルフ情報を発信することが大切だ。会場に多くのギャラリーを迎えるためには、大会公式ページはもちろん、ゴルフ団体、選手個人のブログなど、その一つ一つをより一層魅力的なコンテンツにしていく必要がある。

TVリレー中継

多チャンネル化で長時間中継が可能に

 地上波とCS放送、あるいはBS放送など、複数のチャンネルを使用して長時間の試合中継をする仕組み。プロ野球中継などでは古くから行われていたが、ゴルフ中継でも数年前から行われている。たとえば、CS放送のゴルフネットワークは「とことん1番ホール生中継」と銘打ってスタートホールの模様を生中継するほか、地上波の中継前後も生中継でカバーする。プレー時間の長いゴルフトーナメントでは、長時間の中継時間を確保することはもちろん、いかにエキサイティングに試合展開を伝えるかがこれからのカギとなりそうだ。

データ放送による 視聴者参加型番組

ポイントゲームに参加しながら トーナメント観戦

 日本プロゴルフ選手権日清カップヌードル杯を中継した日本テレビでは、データ放送(リモコンdボタン)で「視聴ヤーデージ」と「ボーナスゲーム」を実施。これは番組の視聴時間に応じてポイント=「ヤーデージ(ヤード数)」を加算し、各ホールのヤーデージをクリアするとスタンプがたまるというゲーム。スタンプ数に応じてプレゼントに応募できる仕組みだ。トーナメント中継を見ながら、ゲームにも参加できるというわけだ。また、同データ放送では選手のペアリングやスコア、クラブセッティングなども確認でき、より本格的なゴルフファンも取り込んだ。

インターネット 生中継

tn20140709 ネットのメリットを 生かした中継が魅力

 昨年のTポイントレディスで、女子ゴルフトーナメント史上初のインターネット本格生中継を実施。その後もヤマハレディースオープン葛城、サイバーエージェントレディス、ヨネックスレディス、セガサミーカップなど、多くのトーナメントに広がりつつある。テレビ中継のない予選から放送できたり、全世界から見ることができたり、また視聴者の質問に解説者やゲストがすぐに回答したりと、インターネットのメリットを生かしたさまざまな可能性を秘めたトーナメント中継方法といえる。スマホやタブレットの普及に伴い、今後のスポーツ中継のスタイルは大きく変わっていくかもしれない。

大会公式SNS

tn20140710 ファンと大会の距離を近づけるツール

 いまではほとんどのトーナメントが公式FacebookやツイッターなどのSNSを開設。準備段階から細かく情報を発信するようになっている。公式サイトでは発信できないような苦労話や面白いハプニングを伝えたり、また試合中ならば細かいスコアの変動やイベントの案内などをしたりできる。内容は書き込むスタッフのセンスによるところが大きいが、ファンとの距離を近づけるには有効なツールだ。これからは単なるレポートで終わるのではなく、さらなる仕掛けが必要となってきそうだ。

選手ブログ・SNS

プロとファンをつなぐ 欠かせない存在に

 多くのプロゴルファーは公式ブログやSNSを持っており、彼らの情報発信の場であるとともに、ファンとの大切な交流の場となっている。自身のゴルフに対する思い、試合への意気込みはもちろん、プライベートの様子も盛んにアップし、ファンはそれに対して質問や応援メッセージなどを投稿している。プロとファンが交流できるというだけでなく、ゴルフ人口の増加、試合への興味喚起という意味からも大きな役割を果たすツールといえるだろう。

大会公式スマホアプリ

tn20140711 スマホ用アプリが大会を盛り上げる

 中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンでは、大会公式スマホ用アプリを用意。ダウンロードすればトーナメントのペアリングやスコア、位置情報などが得られるシステムを採用した。いまやスマホ用アプリが大会を盛り上げる大切なツールの一つになっており、今後ますますゴルフトーナメントとスマホの関係は緊密になっていきそうだ。

ゴルフ団体公式サイト・SNS

tn20140712 データベースを充実させ “使える”サイトに

 JGTO、LPGA、JGA、GTPAなどのゴルフ団体の公式サイトやFacebookなどのSNSも、トーナメント観戦に役立つ情報が満載されている。トーナメントスケジュールをはじめ、イベントの告知、各種データなど、ゴルフファンにとっては知りたい情報が満載だ。今後、さらにデータベースを充実させるなどして、ゴルフファンの興味や疑問にすぐに答えてくれる“使える”サイトになってほしい。