ジャパンゴルフツアー選手会 宮里優作選手会長インタビュー

P6_0044 これからの2年間の構想を語る宮里優作選手会長
来場者満足度の向上へ 選手一丸となって
一層の意識改革を図る


池田勇太選手のあとを受け、ジャパンゴルフツアー選手会の新会長に就任した 宮里優作選手。
今期からは、それまでの1期1年の任期から1期2年を 務めることとなった。これからの2年間、どのように選手会を率いていくのか、 その構想、思いを伺った。

― 選手会長としての抱負をお聞かせください

 池田選手のようにはいかないとは思いますけれど頑張ります(笑)。いざ会長に決まるときには特別な話し合いもなく「もう、会長は決まっているから」という空気で「次、副会長は…」というようにあっさりと満場一致で決まりました(笑)。

 自然な流れの中で決まったようではありますが、嬉しいというよりは身の引き締まる思いです。課題も山積みなのはわかっていますし、僕一人では今の流れというものは変えられません。選手一人一人の心意気、気の持ち方で流れは変わりますので、皆で選手会を盛り上げて欲しいですし、力を貸して欲しいと伝えました。

― 新体制としての事業計画も既にリリースされていますが、具体的なところは

 いろいろと計画案は挙げましたが、僕の使命としてこの2年間でやらなくてはならないと思うことでは、ファンサービスの向上というものを1番に挙げています。選手一人一人の意識改革に関わるところです。まだまだ末端まで浸透していない面がありますし、毎年、選手も入れ替わるということもありますので徹底していく必要があります。特に現場です。トーナメントの会場でいかに選手一人一人の意識を高く持てるかがすごく大事なことだと思っています。

― 総会が年に2回ありますが、必ずしも選手の出席率が高いわけではないようですが

 その通りです(苦笑)。その辺の意識も高く

持ってもらわないといけません。ツアーメンバーである以上は何かしらトーナメントには関わっていますから、選手に自分には変革していく力があるということをいつでも自覚していただきたいと思います。その意味でいろいろな選手とコミュニケーションをとって欲しい。そういう場が総会であったりもしますから、そこには是非参加していただきたい。それに、いろんな意見があっても、そうした意見は総会で決めてからでしか実現できませんから、言いたいことを総会の中でどんどん言ってもらって、皆が同じ方向を向ければ良いと思います。

― 総会とは別に選手会としてのミーティングというのは年に何回ほどあるのでしょうか

 5回から6回くらいです。そこではこれからやっていくことと、終わったことの反省やその時々の課題について話し合います。ただ、今までは、そうした話が議題としてあがってきていることが少なかった。これまでは確認事項だけはやっていましたが、今年はもっと敏感にいろいろなところに目を向けて議題として吸い上げるようにしたいと思います。

― 職場としての試合数を増やすということに関してはどうでしょう

 大きな問題です。やはり増える、増やすための準備はしなければなりません。トーナメントが増えるためにはトーナメントの質を上げていかなければいけないと思いますから、そこに選手の意識が追いついていかなければ無理な話です。もちろん増えるためにはいろいろな方のご理解もいただかなければいけませんし、可能な営業活動ですとか、そうしたことが非常に問われている時期だと思います。やはり意志あるところに道は開けると思いますし、同じ思いを持ってくれている方が必ずいると思いますから、そうした人の思いに応えるためにもトーナメントの質を上げていくことがトーナメントの増加に繋がっていくのではないかと思っています。

― トーナメントの質とは例えばどういうものだと考えていますか

 例えばご来場いただいたお客様に対するホスピタリティやお得感が足りていないと感じます。やはりトーナメントを見に来て良かったと思えるように今まで以上に対策を講じなければならないと思っています。僕は本当に選手一人一人の心持ち一つで少しずつでも変わることが出来ると思っています。お客様の満足感の向上というものをまず、やっていかなければいけないと思います。

― ギャラリー来場者数も女子に押されている状況がありますが、その辺の対策は

 選手にやれることは限られると思いますが、イベントの開催はもちろん、もっとお客様とコミュニケーションが取れる時間を作りたいというのがあります。そのことについては、やれたら良いと思うものに何でもトライしてみたいと思っています。

― スポンサーサービスとしては池田選手会長が発案、プロデュース、ディレクションで実現させたサンクフル主催者ゴルフ懇親会の継続がありますが

 ひとりでやっているので本当に大変だと思いますが、今年も池田選手にやってもらいます(笑)。もちろん僕らも協力はしますが、そもそも池田選手を外してやれるものではありませんから。スポンサー各社の方々に喜んでいただく、そして、我々の感謝を表す場ですから非常に大切です。

 もともとは倉本PGA会長の温めていたイメージがあって、具現化したのが池田選手ですけれども、そうしたことであまり何でも一人でやりすぎないように僕らを上手くどんどん使ってもらいたい。皆の気持ちを一つに持っていきたいところですから、皆でサンクフルというものは成功させたいと思います。

― プロアマについては何か考えていることはありますか

 もっとイベント性を出しても良いかと思います。プロと回るだけでも喜んで下さいますが、やはりアトラクション的なことも必要だろうと思います。それからプロアマに出る選手の意識も大分変わってきておりまして、お客様と楽しんでいる顔が見えるようになったと思います。

 仕事としてではなく、その日をお客様と楽しむというスタンスが少しずつ出来つつあります。まずはそこを伸ばしていくのと、やはり喜んでいただくというのが一番なので、そこは常に何かできることが無いかということを探りながらやりたいと思っています。

― 昨年の三井住友VISA太平洋マスターズでの中止後のファンサービスが話題になりました

 早めに中止が決まって、時間が空いて霧は立ちこめていましたが、雨は降っていない状況でした。いつもはファンサービスとしてサイン会などはやっていますが、他に何か選手として大会に協力できないだろうかと考えていたところに、池田選手の方からも何かできるのではないかという提案が出されて、皆で集まって何かをしようとなりました。話がまとまる前にも中断で現場待機をしている時に、既に谷原選手などはお客様とじゃんけん大会をやっていたり、ティーインググラウンドでボールをプレゼントしたりしていたそうで、特に打合せをしていなくてもそうした動きが自発的にあちこちで出来てくるようになったらいいなと思いました。

 そのためには根本にファンサービスという気持ちがないとそうしたものは出てこないと思います。ゴルフを離れたときに何かをやろうという気持ちが選手一人一人にあれば、それが大きな形になってくると思います。あの時のことはそうしたものが垣間見えた瞬間だったと思います。

― 男子プロとしては、ダイナミックなプレーや真似の出来ない技術力というのが一つの重要なコンテンツですが、今の技術力という点ではどう感じていますか

 道具の進化ということもありまして、今はあまり技術が無くてもクラブが仕事をしてくれるということもあります(笑)。その意味で打たなくて良い球が増えてきてしまっていると思います。

 この場面はこういうショットが必要だというようなロケーションが少なくなっています。それ以前まではボールは曲がりやすいもので、コントロールしにくいものであったのでイメージ力というのも大事でしたが、今は皆、上手いんですよ。ドライバーは曲がらないものだと 思って打っています。振ればまっすぐ行くという感じで(笑)。それがプロのレベルですから余計に曲がる誤差が少ない。女子プロはその辺の恩恵を一番受けているのかなとも思いますが、逆に男子はダイナミック性を引きだそうとするのであれば、やはりコースセッティングになってくると思います。例えばバンカー越えの難しいショットを要求される場面で、高い球を打つことができれば止められるというセッティングであるとか。見ている方は難しく感じても、やる側としては実はイメージが出しやすいので逆に寄せられる。そうした見せ方が僕たちの技術を引き出すやり方として大事だと思います。

 トーナメントによってはミドルホールでワンオンを狙えるようなセッティングを4日間のうち2日くらいやっていただいていたりしますけれども、そうしたメリハリのあるセッティングをしていただけないと僕らの力の見せ場がどんどん埋もれてしまうように思います。

― 今年はリオ五輪があります。オリンピックに対する思いはどのようなものですか

 ゴルフがあるのは大変に嬉しいですね。オリンピック競技は4年に1回。様々な競技でそれを目指してやっている選手たちは図り知れない努力をしてきていると思います。ゴルフがそうしたスポーツと一緒かというとまた違ったものであると思いますが、オリンピックでやることでゴルフを始めてくれる子供達が必ず増えると思いますから、これは僕自身も選ばれたら出たいという意識はあります。

― では、宮里優作選手としての今季の抱負、目標というのはどういうものでしょう

 確かに本業は選手ですから(笑)。選手会長はその次だと思っています。やはり成績が伴わないと何も意味がないと思いますし、ちょっと池田選手は、やりすぎたので(笑)。やはり池田選手が良い成績を出せば喜んでくれる人は一杯いますから、その辺を僕は自覚しようと思います。それで選手として去年は賞金王を獲れなかったので、まずは年間複数回勝って、そこから賞金王に向けて進んでいければ良いと思っています。昨年は金庚泰選手に6,000万円という差をつけられてしまっての2位でしたから、やはり複数回勝たないと賞金王は見えて来ないのかなと思いましたからね。

― 最後にツアー全体の見どころ、あるいは主催者に対して何かあれば

 とにかく男子トーナメントは皆さんが想像もつかないようなパワー、技術、精神面を持っていますので、ゴルフ自体のレベルの高さを見に来て欲しいです。主催者の方には逆にいろいろなことを選手会に要望していただきたいですし、僕らも要望を出したいと思います。とにかく本質はゴルフが好きな方々が集まっていると思いますので、ゴルフの良さを皆さんで共有したいという思いがあります。ゴルフの話でたくさん情報交換したいと思います。