ゴルフトーナメントにおける
監視カメラ導入について

犯罪の抑止・解決のために、防犯カメラが設置される施設が増えています。ゴルフトーナメントの会場でも、トラブル回避のためにGTPAとしても監視カメラの導入を実施しています。

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ギャラリープラザ内のリーダーズボード上に設置された監視カメラ

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クラブハウス前では選手のサイン会なども行われるのでカメラが必要な場所である

選手と観客が近いトーナメント会場の特殊事情

ゴルフトーナメントが他のスポーツと比べて圧倒的に違うのは、選手が観客の目の前でプレーをし、手を伸ばせば触れることができるという距離感です。

スタジアムで行われる他のスポーツでは、選手と観客が明確に区分けされており、プレー中に両者が接触する機会はまずありません。プレーヤーが観客のすぐ近くでプレーすることはゴルフの大きな魅力である一方、問題発生の原因でもあります。

昨今、アイドルグループのイベントなどでファンによる危険な行為が散見されますが、ゴルフトーナメントにおいてもこれを対岸の火事と言っている場合ではありません。

熱狂的なファンによるプレゼント渡しや、他の選手への嫌がらせとも思われるような応援・かけ声といった行為は、実際にトーナメント会場ですでに見受けられています。選手とギャラリーを分けるものが1本のロープでしかないトーナメント会場においては、いつ深刻なトラブルが生じてもおかしくないというのが現状なのです。

この春、スポーツ庁から「ソフトターゲットにおけるテロ対策の推進への協力について」というガイドラインが発表され、ゴルフ界には日本ゴルフ協会経由で発信されました。

内容としては、テロ対策の責任者の設置・対処マニュアルの作成・救命講習の受講・手荷物検査の実施・監視カメラの導入・透明ゴミ箱の導入等が指導されています。

大会によってはすでに実施済の対策もあるでしょうが、GTPAとしても安全対策は喫緊の問題ととらえており、2016年から希望するトーナメントには監視カメラの導入ができる体制を構築しました。

円滑な大会運営にも役立つ監視カメラ

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通常、監視カメラは常設設置が当たり前です。しかし、ゴルフトーナメントは1週間の開催なので、GTPAが月単位でレンタルしたカメラを、各主催者へ週ごとにレンタルする形をとっています。

システムはカメラ2台、または4台を1セットとし、電源を入れればカメラが稼働し、同時に録画も開始されます。その画像は携帯電話の電波を利用してモニターに映し出され、大会本部でパソコンの画面から監視することができ、またスマートフォンからも画像を確認することができます。

設置場所は大会によって異なりますが、ギャラリーゲート・ギャラリープラザ・マスター室前などが多く、ギャラリーが多く集まる場所を狙っています。カメラには、「カメラ作動中」のシールを貼り、抑止効果も発揮しています。実際、昨年のとある大会では酔っ払ったお客さまがギャラリープラザの販売員に絡むシーンが映し出され、速やかに対応できた事例もあります。

今年、監視カメラを採用したサントリーレディスオープン大会事務局長補佐・城戸秀雄氏は次のように話します。

「宮里藍選手の出場で多くのギャラリーが来場されたので、ギャラリーの流れが把握できて有効でした。特に今回は遠隔地のギャラリー駐車場に設置したため、車の出入りが大会本部のモニターを通して確認できて助かりました」

多くのギャラリーが集まるトーナメント会場で、監視カメラがスムーズな大会運営の一助になっていることがわかります。

現状では、不審者対策とともにリアルタイムでの混雑状況やギャラリーの流れを把握するためにも有効に使われていることが多いようです。さらに、悪天候時の避難確認用として利用することもできます。昨今は天候が急変することも多いので、そのような場合にギャラリーの安全な誘導に役立つと思われます。

撮影した画像は、まだ顔認証までできるクオリティはありません。しかし、万が一事件が起きた場合には警察へ証拠として提出することも可能です。

2016年度は18トーナメントで実際に利用されましたが、今後も導入する大会が増えることを切に願っています。

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大会本部では常時全てのカメラの映像が映し出されている

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監視カメラの映像はスマートフォンでも確認できる