海外情報アラカルト No.53
タイトルスポンサーとして
SBSを迎えたPGAツアー

【ゴルフワールド誌 2009年5月18日号】


 世界的に悪い経済状況の中、日本国内の男女ツアーにおいてもトーナメント数の減少、或いは賞金総額の減額などさまざまな問題が起きている。だが、それは日本に限ったことではなく、USPGAツアーでも経済不況の影響でさまざまな問題が起こってきているようだ。


 昨年の9月、経済を支える床板の底が抜け落ちて以来、何事においても将来の可能性は不確実のように見えていた。多くの人々は長期的な計画を立てるに当たって収入を増やすことより支出を抑える方が先だと考えがちであった。
 しかしながら、この居心地の悪い経済状況の中でPGAツアーは前年の優勝者のみによるシーズンの開幕イベントのスポンサーとしてソウル・ブロードキャスティング・システム(SBS)を選び2019年までの契約を締結しツアースケジュールを安定させることに成功した。
 「プレーヤーズ選手権」の開催中の5月7日、TPCソーグラスで発表された10年間の契約によりこれまでの「メルセデス選手権」は「SBS選手権」となり、過去11年間、カパルアリゾートのプランテーションコースで開催されてきた同イベントは2010年以降も継続されることになる。それにより次の週に組まれている「ソニーオープン」もスケジュールに残される可能性が高まった。ソニーとの契約は2010年以降は決まっていない。
 メルセデスベンツは本来の契約はもう1年残されているが、同イベントはハワイから移動するのではないかと噂されている。そうなると「ソニーオープン」が継続される可能性は少なくなる。1つのイベントのためにハワイでテレビ中継を行うのは費用からいって効率的ではない。そしてテレビ中継がなければトーナメントの開催はありえない。SBSを確保するためにツアーは契約の満了以前にメルセデスベンツを解放したと言える。
 コミッショナーのティム・フィンチェム氏は「SBSとのパートナーシップの強化拡大により今後のSBS選手権の安定性は長期的に高められた」と語った。SBSは今回、PGAツアーの韓国内での放送契約も2019年まで延長した。SBSインターナショナルの社長、サン・チュン氏は「同トーナメントを通じて世界一流のゴルフツアーに関わり合うことで今後10年間、我々の知名度を高める偉大な機会となるのは間違いない」と語った。
 SBSの今回の発表はツアーにとって喜ばしい連続するニュースの最中に行われた。今後5年間のタイトルスポンサーとなることを決めたHP(バイロン・ネルソン)、AT&T(ペブルビーチ、及びメリーランド州ベセダ)、ウェルスファーゴ(クェイル・ホロー)、及びリバティ・ミューチュアル(チャンピオンズツアー)に加えて、トラベラーズ(ハートフォード)、アクセンチュア(マッチプレー)、そしてチューリッヒ(ニューオーリンズ)はいずれも契約を2014年まで延長した。
 WGCイベントとして中国でHSBC選手権が加わったのももうひとつの好ましいニュースであった。USバンクが今年を最後にミルウォーキーから去り、FBRが2010年を最後にフェニックスから去るのは事実であり、そしてまた来年以降クライスラーとビュイックがどうなるのか誰も分からないが、ツアーは不況の中で踏みとどまっただけではなく上昇気流に乗る気配すらある。
 ツアーはLPGAに対してサンキューカードを贈りたい心境にあるかも知れない。もし女子ツアーが今年の初め、LPGAの韓国における放送権契約を15年続けたSBSからJゴルフに変更しなかったならSBSはPGAツアーとの関わりを拡大することはなかったかもしれない。
 メルセデスベンツを獲得した事情を尋ねられたチュン氏は笑いながら「我々は余りにも女子を構いすぎた。男子に何かをすべき時かもしれない。SBSが世界のベストプレーヤーたちと関与できるのは実にエキサイティングだ」と語った。いずれにしてもPGAツアー、カパルアリゾート、そしてハワイ州にとって素晴らしいニュースである。


賞金総額の再検討に
追い込まれたR&A

【ゴルフワールド誌 2009年3月19日号】


 大英帝国がグローバル経済の危機に苦悩している一方、R&Aは現在のスポンサーを引き止めること以上に頭を痛めている問題がある。ポンドの価値が下落する中で7月の全英オープンの賞金総額をどのように設定するか検討している最中である。
 2007年、及び2008年の賞金総額はいずれも420万ポンドで、当時のレートで約840万ドルに相当したが、現在のレートで換算すると同額の賞金総額は600万ドルを下回る計算になる。
 「我々は最高賞金総額のメジャーである」とR&Aのチーフであるピーター・ドーソン氏はザ・スコッツマン紙に語り「今年、この状況では賞金に関してメジャーのどん底に落ち込む。どうするかを考えなければならない」と続けた。最終結論は夏まで決定されない。